カート・ヴォネガット死去
■米作家のカート・ボネガット氏が死去
(2007年04月12日13時21分)
カート・ボネガットさん(米作家、劇作家)は、
11日のニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、
ニューヨーク市で死去、84歳。
カート・ボネガット氏
第2次大戦でドイツに派兵され、捕虜としてドレスデン大空襲を体験。これが69年の作品「スローターハウス5」につながり、時空を超えて存在する自身の分身を通じて大量殺戮(さつりく)を糾弾した同作品で米国を代表する作家の一人として不動の地位を得た。
人間の親切への信を根底に、独特のユーモアで生きることの絶望や皮肉を描いた。
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数週間前に転倒し、その際の頭部損傷が死因だそうです。
不慮の事故ではありますが、1997年発表の『タイムクエイク』で既に、
これが最後の作品になることを表明していたせいか、
ショックよりも、「素晴らしい作品をありがとう」という気持ちです。
ヴォネガットは、母親の自殺、戦争体験、自身の孤独と希死感、
息子の統合失調症発症など、抱えていたものの多い人だったようです。
どの作品も、人生の不幸・不遇を
「そういうものだ So it goes」と描くことによって、
絶望の中に、「諦め」という希望を見つける処世術を
伝授していたように思います。
私自身、20代のころ、一番読み返した作家がヴォネガットでした。
いや、別に死にたくなるような絶望的体験したわけではありませんが、
日々の小さなへこむ出来事でも、共感を得られる本が多かったです。
好きな作品は、『チャンピオンたちの朝食』『猫のゆりかご』
『スラップスティック』『スローターハウス5』。
ついでに、ヴォネガットの作品中で好きな言葉も。
「愛は負けても、親切は勝つ」
(『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』)
「神よ願わくばわたしに
変えることのできない物事を受け入れる落ち着きと
変えることの出来る物事を変える勇気と
その違いを常に見分ける知恵とをさずけたまえ」
(『スローターハウス5』)
「嘘の上にも有益な宗教は築ける。
それがわからない人間には、この本はわからない。」
わからなければそれでよい。」
(『猫のゆりかご』)
※作品中に出てくる「ボコノンの書」より
「フォーマ(※無害な非真実のこと)を生きるよるべとしなさい。
それはあなたを、勇敢で、親切で、健康で、幸福な人間にする。」
(『猫のゆりかご』)
※作品中に出てくる「ボコノンの書」より
「もう孤独じゃない!」
(『スラップスティック』)
※人工的な家族を作り出し、孤独を排除しようという
「拡大家族計画」のキャッチフレーズ)
絶版作品が、再版されますように。
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